YouTube第1シリーズ|AI時代に人は何を支えに生きるのか

公開アーカイブ|導入編・第1話・第2話AI時代に人は何を支えに生きるのか― 土地と暮らしから、心の居場所を考える ―AIがさまざまな仕事をこなせるようになった今、能力やスキルだけで人の価値を決めてよいのでしょうか。この企画では、AI時代の不安を心の持ち方だけの問題として終わらせず、日本の土地と暮らしをたどりながら、人が自然や土地、周囲の人との関係の中に、どのように自分の位置を持ち、「ここにいてよい」と思ってきたのかを考えました。ここでいう居場所とは、心を休める場所を含みながら、自然、土地、他者、身体、暮らし、時間、記憶、役割、制度、社会との関係の中で、人が無理なく身を置ける位置まで含むものです。

この企画で考えた問い日本の土地と暮らしの中で、人は何を支えに「ここにいてよい」と思ってきたのか。中心となるテーマ居場所は、役割より先にある。
このページでは、これまでに公開した導入編・第1話・第2話をまとめています。「居場所は、役割より先にある」という考え方を中心に、AI時代に人の価値や居場所をどう考えるかをたどった記録として公開しています。

公開済みの3本

導入編公開済み
AI時代、「生きてるだけで偉い」は本当なのか

― 役に立たなくても、ここにいてよい理由 ―「生きてるだけで偉い」という言葉を手がかりに、人は役に立ってはじめて、ここにいてよいのかを考えます。自然の中で共に過ごす小さなキャンプを例に、まず同じ場に身を置き、そこから必要な働きや役割が生まれる順序をたどります。

第1話公開済み
AI時代、人の価値は「何ができるか」で決まるのか

― 居場所は、役割より先にある ―人間社会を、自然の中で共に暮らす小さなキャンプが巨大化したものとして考えます。暮らしを支えるために生まれた役割が、なぜ人の価値や居場所を決める物差しへ変わったのかをたどり、AIにできない仕事を人間に残すことだけで、本当に人の居場所を守れるのかを考えます。

第2話公開済み
AI時代の「居場所」とは何か

― 自然・土地・他者との関係の中に、無理なく身を置く ―居場所とは、自然や土地、周囲の人との関係の中で、無理なく身を置ける位置のことです。そこに身を置き、関わりを重ねるうちに必要なことが見え、その人なりの働きへつながり、必要に応じて役割として形になります。働きや役割がすぐに現れなくても、そこにいてよいことは変わりません。

この企画で考えたこと

人間社会は、自然の中で共に暮らす営みを重ねながら形づくられてきました。水を得る。食べ物を分ける。火を守る。危険へ備える。住まいを整える。人を見守る。そうした共同の暮らしの中で必要なことが見え、人びとが働きを分け持つことで、役割が生まれてきました。ところが、社会が巨大になり、分業が細かくなるほど、自分の働きが全体の何を支えているのかは見えにくくなります。そして、暮らしを支えるために生まれた役割が、人の価値や居場所を決める物差しになることがあります。

社会は、自然の中に築かれた巨大なキャンプである。現代社会は、そのキャンプを制度と技術のカプセルで覆っている。この見方を手がかりに、制度や技術によって見えにくくなった自然、土地、人、暮らしの関係をたどりました。土地や暮らしに残る知恵と、制度や技術がもたらした自由や安全を、どのように現代の中で結び直せるかを考えています。

AIは、仕事そのものだけでなく、職業や資格、能力、成果によって人の価値と居場所を決めてきた社会の順序にも問いを投げかけます。そこで、人間にどのような役割が残るのかだけでなく、そもそも役割を、人が「ここにいてよい」ための条件にしてよいのかを考えました。

居場所から、働きと役割が生まれる

「居場所は、役割より先にある」とは、人が何かを担う前に、まずその場や関係の中にいられることを土台とする考え方です。そこに身を置き、人や土地との関わりを重ねる中で、暮らしの中にある必要なことが見えてくる場合があります。そこから、それぞれの身体や経験、得意なこと、そのときの状況に応じた働きが生まれます。人びとはその働きを分け持ち、必要に応じて、責任や権限、交代の方法を伴う役割として整えます。

存在→関係→居場所→必要が見える→働きが生まれる→働きを分け持つ→必要に応じて役割になる
居場所は、働きや役割に先立つ土台です。働けないときや役割を担えないとき、役割から離れたり、担い方を変えたり、手放したりしても、その人が関係の中に持つ位置は失われません。また、場所との関わりから必要なことが見え、働きが生まれることと、特定の家、性別、世代、個人に役割を固定することは別のことです。
「居場所は、役割より先にある。」この考え方は、「村の履歴書」全体の結論としてではなく、AI時代の人の価値や居場所を考えたこの企画の中心テーマとして、ここに残しています。