辰野町・小野宿 ― 峠を越える気配が整う地
小野宿は、どんな土地でしょうか
小野宿は、諏訪盆地と松本平を結ぶ峠道の途中にあります。
峠を越えると、水の流れも、風の向きも変わります。
土地の空気もまた、ゆるやかに表情を変えていきます。
ここは、単に通りすがりの地ではありませんでした。越えてくるのは、人や物だけではないからです。
知らせや決(けつ)、祈りのかたちもまた、峠を越えて入り込んできます。
峠を越えるということ
峠は、境となるあわいです。
空気が切り替わる場所です。
緊張が生まれる場所でもあります。
越える側にも、迎える側にも、
少しの構えが生まれます。
峠のふもとは、
在地の気配と遠くからの流れが行き交っています。
受け止め、整える
小野宿は、その気配をそのまま通す土地ではありませんでした。
いったん受け止め、
強きに過ぎるはやわらげ、
土地の呼吸に合わせます。
そして、次の間(ま)へと渡していく。
流れを切るのではなく、
衝突させるのでもなく、
少しずつ調えながら送る。
あわい(間)に立つということ
諏訪に根ざす在地の力と、
松本平へとつながる秩序の流れ。
そのあいだで、ぶつからせるのではなく、
静かに結び直す。
峠の緊張と宿場の静けさが重なりながら、
流れを少しずつ調えてきた場所です。
結び — 峠のあわいに立つ、調えの宿場
小野宿は、あわいに立つ土地です。
越える流れを拒まず、
そのまま流しもせず、
いったん受け止め、
静かに調える。
峠の途中にあるということは、
常に「あわい」に立つということ。
小野宿は、その役目を
長い時の流れのなかで果たしてきました。














-150x150.jpg)















