飯島町|段丘の上下に、秩序と残響を抱える土地
この土地は、どんな場所でしょうか
飯島町は、天竜川に沿ってひらけた伊那谷の一角にあります。
天竜川に沿う大きな流れの内側には、
崖上と崖下の段差があり、
そこへさらに田切といった谷筋が横から差し込んできます。
崖の上には、見渡し、調え、保つための構えがあり、
崖の下には、流れをいったん受けとめ、
記憶や祈りを静かに抱え込むような場があります。
飯島町は、
そうした幾つもの流れと段差が重なり合うなかで成り立ってきた土地です。
この土地では、何がめぐるのでしょうか
この地をめぐるのは、
天竜川の水の流れだけではありません。
崖上では、川沿いを通う人の往来、
街道を行き交う物の動き、
そして外から届いては流れていく世の気配がありました。
一方、崖下には、
そうした流れのなかから零れ落ちた気配や、
土地に沈んでいく記憶や祈りがとどまりました。
さらに、崖上と崖下という段差が、
それらを別々の場で受け止め、
異なる気配として留め置いてきたのです。
この土地が担ってきた役割とは
飯島町が担ってきたのは、
異なる流れを受け止め、
それらを土地の記憶として留めることでした。
どちらかが消えることもなく、
それぞれの気配は、地形のなかに残されてきました。
崖上では、
見渡し、調え、保つための構えが働き、
崖下では、
流れてきたものを静かに受け止め、
記憶や祈りとして留めていく。
飯島町は、異なる記憶を
ひとつの町のなかに抱えながら、
流れのあいだに間(ま)を置いてきた土地でした。
他の土地と何が違うのでしょうか
飯島町のありようは、
段丘の上と下という位相の違いが、
それぞれの記憶とともに、
ひとつの土地のなかに重なっていることです。
この地では、異なる流れが、
段丘の段差によってすぐには混じり合わず、
それぞれ別の場で受け止められてきました。
段丘の上では流れが調えられ、
段丘の下では静かに受け止められ、
さらに田切から差し込む古い気配も抱え込みながら、
それぞれに異なる響きを湛えてきたのです。
そこに、飯島町という土地ならではの深みがあります。
結び — 段丘の上下に、秩序と残響を抱える土地
飯島町は、天竜川に沿う流れのなかにありながら、
ただひとつの流れに収まるだけの土地ではありませんでした。
崖上に立つ調った構えと、
崖下に沈む記憶や祈りとを、
ひとつの土地のなかに抱えてきました。
さらに、
田切から差し込む古(いにしえ)の気配が重なり、この土地に、もうひとつの深みを添えてきました。
分けながら、
断ち切らない。
留めながら、
消し去らない。
その重なりと響き合いのなかに、
飯島町という土地のかたちは、今も残されています。






























