七二会・岩草 ― 崩れた谷に残った山のしくみ

岩草は、どんな土地でしょうか

岩草は、七二会のなかでも谷によって隔てられた一角にあります。
その谷は、はるか昔の大きな土砂崩れによって深くえぐられました。

崩れたあと、水が湧き出します。
人びとはその水を頼りに、沢沿いに暮らしを営んできました。

谷は荒れやすく、自然は決して穏やかではありません。
それでも、人びとはそこに根を下ろしてきました。

その中で、ただ一か所だけ、崩れを免れて残った小さな山があります。

それが、春日山です。

崩れを免れた山という拠りどころ

春日山は、周囲とは少し異なる安定した地でした。
災害のなかでも崩れず、静かに残り続けます。

その山の上にあるのが、春日山神社です。

そこは祈りの場であると同時に、
人びとが集まる場所でもありました。

寄り合いが開かれ、
村の決まりごとが話し合われ、
暮らしのかたちが整えられていきます。

岩草には今も、古い掟の名残が残っています。
それは、この土地が皆でまとまらなければ生きていけなかったことを物語っています。

春日山は、そうしたまとまりを支える場所でした。

城と山のかたち

岩草や七二会には、いくつかの城跡が残っています。

境を見守る城。
戦いに備える城。

そして、岩草に残った春日山。

春日山は、かつて城であったとも伝えられます。
けれど今は、神社として人びとの意を集める場となっています。

戦う場所は外に置かれ、
話し合う場所は谷の内に残された。

そうした構えが、ここには見てとれます。

岩草らしさとは何か

岩草は、

・ 崩れやすい谷
・ そこに湧き出す水
・ 崩れずに残った山
・ 強い村のまとまり

が重なってできた土地です。

自然は厳しく、ひとりでは生きられません。
だからこそ、話し合いが大切にされ、掟が生まれ、集まる場所が必要でした。

その中心が、春日山でした。

結び — 残った山が映すもの

春日山神社は、岩草を治める拠点というより、人びとの意を重ねる場所でした。
崩れた谷のなかで、ただ一つ残った安定の山。
そこに集まり、話し合い、決まりを重ねる。

岩草は、自然の厳しさのなかで生き延びるために、「まとまり」を育ててきた土地だったのです。

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この地域のつづき

※ 構造的背景は 理論基盤を参照